ナイジェリアの貧困地域から世界へ(4)

ナイジェリアのラゴス空港は難易度が高い。日本人がラゴス空港からナイジェリア国内に入国しようとすれば、空港の建物から出るまでに空港職員に3回ほどお金を要求される。制服を着たれっきとした空港職員に、だ。お金を要求される理由としては彼らはただ単にお金が欲しいからだ。それだけ。お金を払うことを断れば交渉してくるので勝手に金額は安くなる。ただでは引かない。しかしこちらもとぼけていればそのうち空港職員も諦める。真っ向から取り合ってはダメなのだ。

そんなラゴス空港からナイジェリア選抜は来日を果たした。ほぼ絶望的だと思われていた来日だ。これは奇跡なのか、携わった人々の日頃の行いなのか、はたまたナイジェリアの入管や大使館の怠慢なのかはもうわからない。

ナイジェリアの貧困地域から花のみやこ大東京にある羽田空港に降り立ったナイジェリア選抜は、ここから木更津に移動して、翌日から元Jリーガーであるカレン・ロバート率いるROVERSとのフレンドリーマッチを行った。このフレンドリーマッチの結果から言うと、ナイジェリア選抜の圧勝となった。カレンに試合内容を聞くと、個人の技術が抜群とのこと。戦術も機能していて、そこにアフリカン特有の身体能力が相まって、ただただ圧倒的に強いチームだと教えてくれた。不思議だ。ナイジェリア選抜は2.3週間程度だけ全体練習をした急造チームだ。しかもクラブチームにも入っていないナイジェリア選抜のメンバーもいる。まともに3食を食べてないメンバーもいる。持ち合わせたDNAなのかどうかわからない。もしかするとアフリカでも御多分に洩れず、現代特有の環境としてスマートフォンなどのデバイスが活躍しているかもしれない。スマートフォン(ニセモノまたはコピー商品)などでヨーロッパのトップチームの試合や好きな選手の動画を観て、動画から得たサッカーインテリジェンスに加えて、日本やアジアの国の同世代の選手とは比べものにならない身体能力で戦うことによって、ただただ圧倒的に強いチームとなっているのだろうか。これについてはナイジェリア選抜に携わる人たちも明確な理由はわからない。考察が必要である案件かもしれない。

圧倒的に強いナイジェリア選抜は、木更津でのフレンドリーマッチを経て、決戦の地 大阪に向かった。木更津の地でも協力者に宿泊施設を提供してもらい、木更津から大阪への移動は、バスを貸し出してくれる協力者や、そのバスを大阪まで走らせてくれる協力者のおかげで、ナイジェリア選抜は無事に大阪に到着したのだ。のっけから本当に多くの人がナイジェリア選抜のサポートをしてくれているのだ。

ラゴス空港に集まったナイジェリア選抜。これから羽田空港へ。




無事に羽田空港に降り立ったナイジェリア選抜。




木更津でのフレンドリーマッチを終えて。




つづく