ナイジェリアの貧困地域から世界へ(1)

東京からフランクフルトまたはドバイまで11時間前後の飛行時間。そこからナイジェリアの大都市ラゴスには飛行機でまた7時間。ドアトゥードアで計算すると26時間程度。ナイジェリアと日本の時差は8時間。日本からマイナス8時間をすればナイジェリア時間になる。人口は2億人近く世界で7位だが、平均寿命は54歳程度と高くない。GDPはエジプトのカイロや南アのヨハネスブルグをも超える。天然資源の石油が国の歳入だが、その歳入の1/3はどこかへ消える。総発電量は北朝鮮を下回り、1日のうち2時間しか電気が来ない地域もある。そもそも電気のない地域もある。平均所得は1ヶ月で18000円前後。西にはベナン共和国があり、東にはカメルーンが位置する。

そんなナイジェリアのラゴス周辺の貧困地域に住む、地元から出たこともない小学生たちが、大阪で開催されるU12ジュニアサッカー ワールドチャレンジ2019に参加するために、初めて貧困地域を出て飛行機で日本にやって来たのだ。何もかもが初体験。パスポートを取得したり、飛行機に乗ったり、異国の地に降り立ったり、と、小学生の彼らは初体験づくし。もちろん迎え入れる側の日本人や在京のナイジェリア人たちも初めてのことばかり。この来日に関しては想像を絶するほどの幾多の困難があった。ナイジェリアの子供たちのパスポートの取得には、なぜか彼らの親御さんたちのパスポート取得が必要であったり、それらのパスポートを申請すればパスポートのストックが無く発行が遅れたり、ビザ発給が来日の3日前だったり、航空券が用意できたのが来日の1日前だったり、と、まだまだたくさんの問題があったのだ。また日本国内の移動手段や宿泊施設関しても多くの人のサポートがあった。サッカーユニフォームやスパイクやトレーニングウェアもまたサポートがあった。一見するとお揃いのユニフォームや新品のスパイクを履くナイジェリアの子供たちは、ナイジェリアのサッカーエリートに見間違われそうだが、実情は貧困地域からやって来たクラブチームなどにほとんど所属していないハングリーなサッカー選手たちなのだ。

そんな選手たちの世界一への軌跡を時間を見つけてはブログに書いていこうと思う。




つづく