ナイジェリアの貧困地域から世界へ(4.5)番外シリーズ最終話

一躍人気者になったナイジェリア選抜のメンバーは、方々でサインや握手や記念撮影をお願いされる。彼らとしてもとても気分がいいだろう。陽気な彼らだけど根は謙虚、だけど今回ばかりは少しだけ羽目を外して世界チャンピオンの気分を味わうのも悪くないと思う。

世界チャンピオンたちは、大会最終日も大阪のいつもの銭湯で疲れを洗い流し、快適なゲストハウスで最後の夜を陽気に過ごす。調子にのるなとアバヨミ氏に怒られてビビりながらも陽気に過ごす。

世界チャンピオンたちは、翌日の月曜日に大阪から東京に移動する。バスを運転するのは早川トレーナー。彼はこれが世界チャンピオンたちとの最後の仕事で寂しいと言っていた。それはなんとなく理解できる。世界チャンピオンたちは火曜日と水曜日はご褒美の東京観光をプレゼントされた。

火曜日は浅草に行ったり上野動物園に行ったりスカイツリーに登ったりと、ナイジェリアでは体験できないことをたくさん体験したけれど、彼らの凄いところは、観光をしながらもサッカーをやりたいとリクエストしてくることだ。サッカーに飢えている。好きこそ物の上手なれ。や、芸は身を助ける。とはよく言ったもので、彼らがそれを体現している。見習いたい。

夜は加藤社長の会社で従業員さんや支援者の人たちと報告会をしたり食事会をしたのだけど、その場でも大会の決勝の動画を観て大興奮する様は、サッカーが好きで好きでたまらない子供たちそのものだ。やはり見習いたい。

翌日の帰国日の水曜日の昼に、ナイジェリア大使館に呼ばれて、大使に褒められてご満悦。本当に有り難い。しかし子供たちからしてみればサッカーボールを早く蹴りたいみたい。

そんなこんなで飛行機に乗ってナイジェリアに帰国する時間に。お見送りのインターンの女性は号泣。ずっと一緒にいたからお互いに別れるのが辛くて寂しい。でもすぐにナイジェリアで会えるはず。そうじゃなくても彼らは自らの手でノーチャンスだったナイジェリアから世界へ羽ばたいてプレーをするだろうから、ネットで彼らの勇姿をいつでもみられるようになる日が思ったより早く来るかも。

ありがとう。若き勇敢な世界チャンピオンのナイジェリア選抜の子供たち。僕らは君たちから夢と希望と勇気をもらったのかもしれない。



浅草




上野動物園




寝ても覚めてもサッカー。




ナイジェリアのラゴスに着いた世界チャンピオンたち。


またナイジェリアか世界で会おう。