ナイジェリアの貧困地域から世界へ(3.5)

ナイジェリアのラゴス空港は難易度が高い。中東からフランクフルトに入国するよりも難易度が高い。まぁ、違った難易度なんだけど。。。日本人がラゴス空港からナイジェリア国内に入国しようとすれば、空港の建物から出るまでに空港職員に3回ほどお金を要求される。制服を着たれっきとした空港職員に要求される。お金を要求される理由としては彼らはただ単にお金が欲しいから。ただそれだけ。お金を払うことを断れば交渉してくるので勝手に金額は安くなる。彼らはただでは引かない。しかしこちらもとぼけていればそのうち空港職員も諦めるから真っ向から取り合ってはダメだ。だけど彼らの笑顔は憎めない。そもそもナイジェリアが嫌いだったらこの国に来てきないから。愛すべきナイジェリアだ。ナイジェリア人のことをリスペクトしている。

ということで、はじめてのナイジェリアへの入国はこんな感じ。2回目も同じだったけど。ラゴス空港から市内に向かって走る道路はデコボコで、前を走るトラックは人間で積載オーバーだ。自分が乗っている車もお世辞にも快適とはいえないが、身を守るという意味では鉄の塊に囲まれているのである程度は安心できる。まぁ、ある程度だけど。

市内につけばいつものホテルにチェックインをするのだけど、ナイジェリアの紙幣で支払うから、お札の厚みが約7センチほど。しかもボロボロ。あんまり触りたくない。ちょっと湿気っている。お札を数えて支払うのだけれど、10人同時にチェックインをしたら、お札がレジには収まらないだろうな、と、どうでもいいこもとを想像する。

ホテルの前の道はいつも大渋滞。港にいく大型トレーラーが1週間以上も路上で停車して順番を待っているから。港側にはトレーラーをうまく受け入れるシステムは無く、出たとこ勝負の行き当たりばったり。トレーラーの運転手もさほど意に介していない様子。のんびりだ。けれど、救急車に緊急搬送される患者さんがいたら気の毒だ。進まないから。

道路は二車線でも、お構い無しにみんなが逆走するから、路上はカオスだ。一番早いのはバイクだから、バイクの数はとても多い。機動力が違うから。渋滞もスイスイ進む。

そんなナイジェリアに日本人たちやナイジェリア人がオーナーのプロサッカーチームのイガンムFCがある。オフィスはラゴスのゲットーにあって、グランドはベナンとの国境に建設中だ。しかも建設開始から2年半が経過している。グレーディングしてあったグランドは草がボウボウだ。だけどそれがナイジェリアでのアドベンチャーだ。一筋縄でいかないからこそビジネスの参入障壁が高いし、面白みがあり醍醐味がある。ちなみに自分の肌感覚ではアラブでの商売の方がナイジェリアよりも大変な気がする。そこはまた次回のブログで。

遅々として進まないグランド建設とは裏腹に、U12 ジュニアサッカー ワールドチャレンジでは、イガンムFCを母体にしたナイジェリア選抜が、バイエルンミュンヘンや広州富力足球倶楽部を決勝トーナメントで破り、世界チャンピオンとなった。

グランドの建設は進まないけれど、総合的なプロジェクトは進んでいる。岩盤を正面突破するアバヨミ氏と加藤社長の力だ。

今回の優勝でナイジェリアのプロジェクトはますます面白くなっていく。本当に楽しみだ。このプロジェクトにみんなと携われて感謝しかない。



人間で積載オーバー。




ナイラの札束。日本円で15000円程。




ベナンとの国境付近のサッカーグランド建設予定地。




ナイジェリアで1日を過ごすと「生き抜いた」感覚を味わえる。アバヨミ氏と加藤社長と。