モノづくり@中国大連

今回は前々回の続きで、中国での困った、悩んだ、トラブったお話を書き綴っていきます。



弊社は制御メーカーで、制御設計・制御盤製作・電気工事・保全・省力化・エコ関連 を生業としています。





中国で同じ事をしようとする場合、日本では考えられないような問題があります。

では、中国で具体的に制御系の仕事をする場合の問題点や面白話を書き綴っていきます。


例えば制御盤を作ろうと思った場合。

電線・・・日系の電線を購入する場合、日本と値段はそんなに変わらない。やはり、日本から引っ張ってくるから諸々で高くなってしまうのかな。 UL規格であれば割に入手しやすいかな。

不思議なのはデパートや市場に電線や電装品や工具が売っていて、地べたに置いて売っている。
 
そう、電線商社には大量に発注しないと持ってきてくれない → 持ってきてくれないから買いに行く。→ すごく効率が悪く、買い物に行く無駄な工数がいる。 → 人件費が上がればそんなビジネスモデルは破たんする。 → 日本のような地域密着型の商社型のビジネスチャンス。 → 結果、日本にいた時のように、いろいろな電線はすぐに手に入らない。 → 余談、でもコツをつかむと手に入れられる。




ダクト・・・値段は安くないです。日本と変わらない。 品質は日本のほうがいいですが。 これもまたデパートや市場にハダカのばら売りで売っています。 当然汚れあり。 

これもまた、日本のように配達してくれないので、小口で手に入れるのは面倒くさいです。 マメでないと制御盤できません。



ネジ・・・日本でネジを1箱買ったときに、誰も数を数えたり、検品をしませんよね。 するんです。中国では。

特に品質。 芯がまっすぐではありませんし、不思議なゴミが頭にたくさん付いています。

これもまた、小口では誰も配達してくれません。 デパートや市場で、足で探して品質の良いビスを目で見て買うしかありません。 これもまた大変。 



マークチューブ・マークチューブ゙打ち機・・・高いです。 普通に日本製のMAXのレタツインを中国の店で勧められます。 中字ですが。 ちなみにマークチューブは黄ばんでいますので、クリ―ニングしてからしようします。 手間ですが。



圧着端子・・・これも気合いがあれば日本製のものを手に入れたほうが、安心です。 全般的に台湾製であれば、まだ安心して使用できます。 安くないですが。




電装品・・・全般的に日本製品は手に入りにくく、ヨーロッパ系の電装部品のほうが手に入りやすいかもです。

中国の制御盤の中を見ても、日本製の電装部品は少ないですね。 



筺体・キャビネット・・・不思議です。製造現場でもコンクリートの地べたの上に、養生もせずに置いてあります。 しかも大量に。 塗装が多少禿げても平気なようで、気にしないようです。 日本の規格の 1.6 や 2.3 を手に入れると割高です。 中国の汎用品は板厚が日本と多少違いますね。




技術・・・ロケットも飛ばせる国なので、ピンからキリまであります。 ですが、まだまだ全般的には配線してあるだけで、繋がっていればいいのでは、という感がいなめません。 日本人技術者のような繊細さはあまりないのでは。
これは、ドイツの制御盤工場に行った時も、そう感じました。
やはり、日本の消費者に力がある、または声が大きいという事に、起因していると思われます。

結論、制御盤の配線は何とかしてありますが、不具合はつきものです。







総評・・・中国で制御盤や電装製品を制作する場合は、それなりの覚悟を持ち、かつ、自分で生産現場に入り込み居座るつもりで、生産しなければ悲しい結果になる事も多々あります。





弊社は中国進出や中国生産を目指す企業様のお手伝いをしております。






現在では中国で安くモノを生産するよりは、中国の市場に設備のソフトとハードの両面を売り込んだほうが、日本の製造業の真骨頂が発揮できます。

もちろん、中国生産をお考えの方も、ご一報ください。



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続く。