福島工場 その5

  • 2014年9月7日
  • 友人
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前回からの続きで

次の朝、友人社長と二人で小名浜港に車を走らせてみた。


いわき駅の近くのホテルから、小名浜港まで、ハイエースで30分前後。


小名浜港に着くと、数隻の漁船は漁港の陸に上がってひっくり返り、漁港の陸のアスファルトやコンクリートは津波の力で剥がれて、かつ地盤沈下を起こし、建物はコンクリートの柱だけが残っている状態で、周辺の道路はうねっていた。


そのうねった道路を、自衛隊の車が行ったり来たりしていた。


不謹慎だけど、映画の世界かのようだった。




昼からはコンビニやスーパーに行って、求人雑誌を探すことに。


求人雑誌をみれば、福島県いわき市あたりの産業構造や景気が、なんとなく掴めるかなと思ったから。


しかし、そんな事はその後なんの効果も無くなってしまうのだけれど。



夜は、友人社長の取り計らいで、いわき市の地元の名士の方々や市会議員の方と、情報交換をする席を設けてもらっていたので、早々にホテルに戻り、簡単な本業の仕事はメールだけで片付けておいた。



その夜、いわき駅の近くの海鮮居酒屋で、いわき市の地元の方々と、友人社長と自分との6人で、食事をしながらいろいろな話しをすることになった。


もちろん、地震、津波、原発事故の話しがメインになるのだけれど、それよりも何よりも、この夜の食事会が自分の考えていた今後の東北での工場開設に大きく影響することになった。


また、ちなみにこの海鮮居酒屋で食べた刺身は、自分の地元の愛知県産の魚で、海の街でもあるいわき市の地元の方々の苦悩も垣間見えた気がした。


つづく