右手にコモ湖を見ながらコルナレードに向かった

  • 2020年6月25日
  • 2020年6月25日
  • サッカー
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2017年の富士スピードウェイ。SUPER GTのレースが終わった夕方のサーキットは昼間の盛り上がりに比べると格段に静かだ。モータースポーツファンは帰路につき、関係者は片付けに追われている。うちのドライバーは日本人とイタリア人のコンビだ。2人のドライビングテクニックにはそれぞれ特徴があってお互いを補完するコンビだ。2人ともこれから私服に着替えて帰り支度をする様子が見てとれた。

イタリア人ドライバーはペスカーラ出身にもかかわらず、幼い頃からACミランのファンだと言う。ミランやユベントスは全国区だからペスカーラで生まれ育ってもミラニスタになるのは特別なことではないのだろう。そんな仲良しのイタリア人ドライバー曰く、身内がFCルガーノのオーナーだからセリエだけでなく、スーパーリーグも観においでよ。と。身内って、すごいね。うん、南スイスだからミラノから近いしね。そんな会話をした記憶がある。

2018年の2月。ミラノから北上し右手にコモ湖を見ながら、イタリア人ドライバーの身内が招待してくれたFCルガーノのスタジアムであるコルナレードへ向かった。コルナレードへはトゥラーテ出身の制御盤協力工場のアンドレアが車を走らせてくれた。コルナレードに着くとゲートにスイス人の担当者が待ち構えていて、早速ビップルームに案内された。シャンパンや軽食を勧められるがまま楽しんでいると、FCルガーノのスポーツダイレクターがやって来た。「オーナーが対応できないけど十分に楽しんで行ってくれ」と。何かあればすぐに連絡をくれと連絡先を手渡された。アンドレアや自分の仲間も寒いコモ湖近くのスタジアムのビップルームで、シャンパンやワインを片手に快適に試合を観ている。そういえばSUPER GT関係の友達の会社もスーパーリーグの2部チームを保有してたな。明日コンタクトしてみよう。と、思いながら発煙筒で白く煙るスタンドをぼんやり眺めていた。周りにいるスイス人やイタリア人ともある程度仲良くなり世間話も存分にした。試合後はアンドレアの運転する三菱車でスタジアムを後にしてミラノに戻った。帰宅途中、コモ湖は既に漆黒の闇の中だった。

それから2年ちょっとの月日が経った。自分はといえばらしくないけど割と忙しい日々をすごしている。そんなある日、友人の1人が欧州で仕事がしたいと相談を持ちかけてきた。

つづく